こんにちは。凛奈(life_rinna0)です。
これまでの記事で何度かお伝えしていますが、私は6年程前にうつ病と共に耳管開放症(ジカンカイホウショウ)という病気になりました。
あまり知名度の高い病気ではないので、聞き慣れない方が多いかと思います。
今回は、耳管開放症がどういった病気なのか改めてご説明させて頂きたいのと、耳管開放症と症状がよく似ている耳管狭窄症(ジカンキョウサショウ)
という病気との違いについても、合わせて解説していきたいと思います。
この2つの病気は発症する症状が非常に似ている為、時に病院で双方を誤って診断されてしまう場合もあります。
症状はほぼ同じですが、原因や治療法などが異なるあくまで別の病気です。
なので、今回は、それぞれの発症原因、治療方法の違い、そして、病院を選ぶ際のポイントについても解説していきたいと思います。
尚、耳管開放症と耳管狭窄症の違いについてYouTubeでも解説しております。
ただ、継ぎ接ぎだらけのかなり拙い動画なので、、そこら辺はどうか暖かい目で見守って頂けると助かります。。
耳管開放症と耳管狭窄症違い
耳の病気の中で耳管開放症と耳管狭窄症状は、耳管を開け閉めする調整が上手く出来なくなってしまう「耳管機能不全」という部類にあたります。
耳管開放症は、 本来は必要に応じて開いたり、閉じたりする耳管(耳と鼻・のどをつなぐ管)が開いたままの状態になる事で様々な症状が現れる病気。
一方で、耳管狭窄症は、 この管が塞がったまま、もしくは狭くなってしまった状態のことを言います。
耳管開放症と耳管狭窄症に共通する3つの症状
耳管開放症、耳管狭窄症には、主に3つの共通する症状があります。
- 耳閉感
耳が塞がれているような感覚 - 自己呼吸音聴取
自分の呼吸音が耳に響いて聞こえる - 自声強聴
自分の声が耳に大きく聞こえる
改めて私が体感した感覚でお伝えしたいと思います。
耳閉感
プールで耳に水が入った時の状態や、飛行機の離着陸の時に耳抜きしても戻らない状態がずっと続いているような感覚です。
自己呼吸音聴取
息を吸って吐く度に「ズコー、ズコー」と自分の呼吸音が耳元で聞こえます。私はずっと、耳元で空調の風の音が聞こえているようだと感じていました。
自声強聴
自分が話した声が自分の耳の中で響いて聞こえるので、大きな声で喋っている訳ではないのに、自分の声が凄く大きいと感じます。
また、耳の中で自分の声が響いていると、自分が口で話している言葉の上に、耳で響いている声が重なって聞こえてしまい、非常に話しずらい状態になります。
自分が何を話しているのか分からなくなってしまい、人との会話が非常に困難でした。
一概には言えませんが、症状の違いを挙げるとしたら、耳管開放症では、 めまいや耳鳴りといった症状、耳管狭窄症では、 軽い難聴、滲出性中耳炎などが現れる場合もあります。
主な原因
耳管開放症の場合
精神的、肉体的なストレスが主な原因として挙げられますが、 痩せ型、低血圧、血行不良、顎関節症なども原因として考えられます。
また、 ダイエットによる急激な体重減少や、ピルの使用、妊娠などが原因の場合もある為、女性が発症する割合の方が多く、女性ホルモンの乱れも影響しているのではないかと考えられます。
耳管狭窄症の場合
風邪、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、咽頭炎、扁桃炎などの鼻やのどの炎症により鼻の奥にある耳管開口部周囲に炎症を起こすことが主な原因とされています。
男女差や年齢層もあまり関係なく、風邪や鼻炎の後などが発症しやすいようです。
ざっくり分けると、耳管開放症は、主にストレス(女性ホルモンの乱れなども含めた精神的、肉体的ストレス)が要因で発症する病気。
耳管狭窄症は、主に風邪やアレルギー性鼻炎などが要因で発症する病気といった感じで捉えておくといいと思います。
主な治療方法
耳管開放症の場合
軽症
自然治療(生活習慣の見直し、しっかり休息を取るなど)、もしくは、加味帰脾湯(かみきひとう)という漢方薬での治療が一般的です。
中等症
生理的食塩水点鼻、患部にルゴール液の噴射、鼓膜に小さい紙を貼るパッチ療法などの局所処置で様子を見ます。
重症
耳管内チューブ挿入術、耳管閉塞術、耳管ピン挿入術(鼓膜を切開し、耳管内にシリコン製のピンを挿入する)などの手術が考慮されます。
耳管狭窄症の場合
軽症
原因がアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎の場合は根本の原因を取り除く治療を行います。炎症が起こっていれば、抗炎症剤や抗生剤、鼻水の粘性を抑える薬を投薬になります。
中等症
カテーテルを鼻から入れて耳管にあて空気を送る“耳管通気療法”、鼻水を吸引したり、患部に炎症を抑える薬剤を噴霧する治療を行うこともあります。
重症
鼓膜を切開したり、鼓膜チューブを設置したりする手術が考慮されます。
どちらの病気もまずは、根本の原因を取り除くところから入っていき、局所処置で様子を見ながらそれでもダメな場合には、最終的手術といった流れになります。
改善の目安
耳管開放症の場合、 一度開いてしまった耳管は元には戻らず、完治はしないと言われていますが、症状が出ない限りは日常生活に支障はありません。
早ければ数週間以内に症状が改善されます。
耳管狭窄症の場合も、鼻炎や副鼻腔炎などを併発していると長引いて1年以上続くこともありますが、基本的には 原因となっている炎症が治れば4、5日ほど、多くは2週間ほどで治ると言われています。
耳管開放症の場合は、主にストレスの根本な要因を取り除く事、耳管狭窄症の場合は、風邪やアレルギー性鼻炎を治す事などが治療に繋がっていきますので、予防として、日頃から心と体のケアについてはしっかりと意識しておきたいところですね。
耳管開放症か耳管狭窄症かどうかは、自己判断出来ません。
自分では耳管開放症かもと思っていても、病院で調べてみたら耳管狭窄症の方だったり、場合によっては片方が耳管開放症でもう片方は耳管狭窄症というケースもあるそうです。
また、他の病気と併発している場合などもあるので、自分の症状が耳管開放症、もしくは耳管狭窄症かも?といった場合、速やかに病院を受診しましょう。
耳鼻科だからといって、耳の症状全てに対応出来るとは限らない。
耳管開放症、耳管狭窄症の疑いで病院を受診する際、ただ近所の耳鼻科を受診するのではなく、出来れば「耳管機能不全」について専門で診ている病院を選ぶ事を強くオススメします!
何故これが大事かというと、私がこれまで受診した病院の中で、この2つの病気に対して、明らかに知識が曖昧な先生が何人かいらしゃって、とても不安な気持ちになった事があったからです。
これは、TwitterやInstagramなどのSNSを見ていても、同じような体験をしている人が多く見受けられました。
ただでさえ間違えやすい病気にも関わらず、耳管機能不全について専門の知識がある先生と、そうでない先生とでは、治療の知識について、かなりの差があると思います。
また、耳管機能不全に対し、一般的な耳鼻科で「耳管機能検査装置」を使って「耳管機能検査」をしっかりと行っている病院は少なく、多くは、専門の医院でないと適切な検査が受けられません。
専門の病院って遠かったり、金額が高かったりするので、気の重いところもあるかと思いますが。。
後々の事を考えても、これが一番健全な道だと思います。
耳鼻科の選び方について
ここまで読んで頂いた方の中には、病院の受診に対し、不安を感じてしまった方もいらっしゃるとか思います。
最後に、病院を選ぶ際に、確認しておきたい3つのポイントについてお伝え致します。
病院のHPと口コミサイトは貴重な情報源!3つのポイントチェック!
まずは、ネットで「耳管開放症」、「耳管狭窄症」、「耳管機能不全」などのキーワードに絞って病院を検索。
いくつか気になる病院をピックアップしたら、それぞれの病院のHPで以下のポイントについてチェックしていきましょう。
1,「耳管機能検査」をしっかり実施している病院なのか
「耳管機能検査」には、音響法という耳にスピーカーを当てながら唾を飲み込んだり、耳抜きをして、耳管が開く様子を音として測定する検査や、ティンパメトリー検査というイヤホンのような機械を耳に入れ、鼓膜や中耳の換気機能などを診る検査があります。
他にもいくつか種類がありますので、耳管機能検査に対しての説明書きや、どんな治療を行なっているかなど、治療方針がしっかり明記されている病院を選ぶ事をオススメします。
2,医師のプロフィール欄をチェック。
病院のHPには、院長の挨拶といった感じで、医師の挨拶と一緒にその医師の経歴が記載されている事が多いです。
それまで勤め上げてきた病院名や、所有している資格についてなどの記載がありましたら、その医師が何科の医師なのか確認してみましょう。
耳鼻科に限らず、「〇〇科」などの病院の標榜については、開業するお医者さん自身である程度自由に決められます。
なので、耳鼻科医でないお医者さんが耳鼻科を標榜している場合も無きにしも非ずという事。
通常、耳鼻科のお医者さんであれば、
日本耳鼻咽喉科学会専門医、又は指導医
と記載されていています。
上記に加えて、
・日本気管食道科学会専門医
・日本アレルギー学会専門医
などの資格も合わせて所有している先生もいらっしゃりますので、自分の病状によってより理想に近い先生を選びましょう。
3.病院の口コミは一つのサイトだけではなく、複数のサイトを見て比較する。
病院に限らず、HPというモノは、よく見せているところがありまして…。
私は以前、一つのサイトしか調べずに病院を受診したら、あれっ!?ってなってしまい、別のサイトを確認してみたら、評価が全然違ったという経験があります。
なので、口コミサイトは一つではなく、出来れば2,3個のサイトを見て比較してみましょう
ちょっと手間ではありますが、サクラサイトに引っ掛からない為にも、ここも是非チェックしておきたいところです。
これらを確認した上で、一番自分の理想に近い病院を受診してみましょう!
病院選びのポイントについては、こちらも解説動画がありますので貼っておきます。
動画の内容は診療内科の受診についてのまとめなのですが、この3つのポイントは、今回お伝えした内容も含まれており、日頃の病院選びでも活かせる内容だと思います。
長めの動画ではありますが、病院選びで迷いがちの方は、是非、こちらも合わせてご視聴頂ければと思います。
こちらも継ぎ接ぎだらけの拙い動画なのですが、そこはどうかどうか暖かい目で(笑)以後、改善していきたいと思います。。
耳の病状には、他の病気が隠れている場合もあります。
今回お伝えしたような症状以外でも、耳に違和感を感じた際には、早めに耳鼻科、耳鼻咽喉科を受診しましょう!
耳管開放症のオススメ&参考書籍
最後に本記事で治療方法などについて一部参考にさせて頂きました、耳管機能不全に関する書籍をご紹介させて頂きます。
作者の萩野仁志先生自身、耳管開放症を経験しており、自分で出来るセルフケアの紹介や漢方薬の効能の違いなど分かりやすく解説されていてとても読みやすい本だと思います。
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耳管開放症でお悩みの方には是非、読んで頂きたい一冊です。
耳管機能不全に関するムック本です。随所に耳の内部の写真が載っていたり、解説もかなり専門的な内容になっております。お値段もお手頃ではないので、ご購入の際はご慎重に。
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